血腫が少量で症状も軽微な場合は、
自然吸収を期待して経過観察とすることもありますが、
通常は局所麻酔下の手術が行われます。
慢性の血腫はさらさらした液状のため、
大きく頭蓋骨を開けなくても小さな孔(あな)から取り除けるので
、穿頭血腫除去術(せんとうけっしゅじょきょじゅつ)あるいは穿頭血腫ドレナージ術が行われます。
症状が重い(意識障害のある時など)場合は緊急手術、
それ以外は症状に応じて通常は数日以内に手術が行われます。
脳ヘルニア症状が現れるほど進行している場合を除き、
予後は良好で、ほとんどは社会復帰が可能ですが、
軽い後遺症(片麻痺、言語障害や認知症状などが残る場合もあります。
また、高齢者では術後の合併症に注意が必要です。
経過が順調ならば手術直後から症状が改善し、1〜2週間以内で退院できます。
ただし、血腫の再発率は約10%とされ、再手術が必要になることがあります。
そして進行した脳ヘルニアの症状とは頭部外傷によって、
頭蓋骨よりも内側(頭蓋内)に血腫や脳のむくみ(脳浮腫)が生じると
、脳は硬い頭蓋骨で囲まれて余計なスペースがないため、頭蓋内の圧が高まり(頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん))、
軟らかい脳はすきまに向かって押し出されます。
組織が押し出されることをヘルニアといいます。
押し出された脳は深部にある生命維持中枢(脳幹)を圧迫し、呼吸や心臓の機能を損ないます。
初期症状は意識障害と瞳孔(どうこう)の異常です。
一般的には、脳に障害のある側の瞳孔が開き(瞳孔不同)、
光に対する瞳孔収縮の反応が失われます(対光反射消失)。
この時期を過ぎると呼吸が不規則で遅くなり(この前に異常に速い呼吸になることもある)、
瞳孔の異常は両側になります。
また、痛み刺激で手足を突っ張る除脳姿勢(じょのうしせい)を示すこともあります。
さらに進行すると呼吸が止まります。
呼吸が停止した最重症例では、治療を行っても救命の可能性は低くなります。
次いで脈が乱れ、血圧が下がって死に至ります。
転んで頭を強く打ったときにできる硬膜下血腫に要注意!
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