円形脱毛症はストレスが原因ではないの?
円形脱毛症は、
長い間、
ストレスが原因とされてきましたが、
最近では、
ストレスは発症のきっかけに過ぎないと考えられています。
円形脱毛症では、
頭髪に”自己免疫反応”というものが起きているといわれています。
通常の免疫反応は、
体内にウイルスや細菌などの異物が入ってきた際に
Tリンパ球という細胞が異物を攻撃するというものですが、
このTリンパ球が異常を起こし、
正常な細胞を攻撃してしまうことがあるのです。
これを“自己免疫反応”と呼びます。
円形脱毛症になると、
頭皮では、
Tリンパ球が毛根を攻撃します。
このために髪の毛が抜けるという現象が起きているのです。
このような現象が起きるきっかけは、
ストレス以外にも、
風邪や、
睡眠不足、
過度な疲労、
胃腸炎、
出産やケガなどさまざまなものが考えられています。
円形脱毛症には、
円形のものだけでなくそのほかの種類もあります。
円形の10円玉や500円玉のような形での脱毛が1か所であれば“単発型”、
2か所以上あると“多発型”と言われるのです。
これらのうち脱毛の範囲が少なければ軽症ですが、
脱毛の範囲が頭皮の25%以上になると重症になるのです。
重症の円形脱毛症には、
“多発型”や、
首筋近くの後頭部や耳の周りの側頭部などが脱毛する“蛇行型”、
頭髪のすべてが抜ける“全頭型”、
さらに、
まゆ毛やわき毛など体毛も抜けてしまう“汎発(はんぱつ)型”という種類があるのです。
“円形脱毛症”の治療には、
年齢や脱毛の範囲などにより変わってくるといわれています。
初期の治療法としては、
ステロイドや塩化カルプロ二ウムなどのぬり薬や、
グリチルリチン、
セファランチンなどののみ薬で治療を行います。
そのほか、
エキシマライトや、
ナローバンドUVBという光線治療を行う場合もあります。
光線治療は、
脱毛した部分に光を当てて、
異常を起こしたTリンパ球を抑制する治療です。
これらの治療を行い、
およそ3か月~半年ほど経過を見ていきます。
円形脱毛症は、
抜けてしまうのはあっという間ですが、
取り戻すには根気がいります。
当事者にとっては苦しい期間です。
また、
この治療を行っても、
効果が現れない場合があります。
その場合は、
ご本人の確認をとりながら他の治療法をとっているようです。
脱毛の範囲が広くない軽症の人には、
“ステロイド局所注射”という治療を行っています。
脱毛している部分にステロイドを注射する方法です。
1回の注射で薬が行き渡る範囲が1cm2なので、
複数回の注射が必要です。
また、
この治療は、
成人が対象となっており、
小さなお子さんにはできないのです。
※ 注射は痛みを伴いますが、
最近ではぬり薬の麻酔を使用してから注射をするという場合もあるようです。